結婚式招待状の返信はがきメッセージに「句読点(くとうてん)」を付けないのはマナー。ついつい読みやすいように句読点を使ってしまいがちですが、他にも句読点を使わないのが礼儀となるものがあるのでしょうか。そして、それには特別な理由があるのかなど調べてみました。
句読点を使うとマナー違反で失礼なの?
慶事の挨拶状や証書など重要な書状には句読点はつけません。また、喪中はがきでもつけないことが多いようです。句読点を使う使わないは、「マナー違反」という決まりではなく、慣例的な「礼儀」として失礼がない気遣いだそうです。
句読点を使わないほうが失礼のないもの
- 結婚式の招待状や返信
- 年賀状
- 寒中見舞い
- 暑中見舞い
- 会葬御礼状
- 忌明け挨拶状
- 卒業証書・修了証書
- 各種免状・認定書
- 許可証
- 祝辞・弔事
- 式辞・答辞・告辞
- 辞令・訓示
- 挨拶状
- 感謝状
- 詫び状
- 記念碑(碑文)
百人一首や歌の歌詞にも句読点がありませんね。
結婚式の招待状に句読点をつけない理由
結婚式の招待状にあえて「、」や「。」などの句読点を使わないのはなぜでしょう。
「お祝いごとには終止符を打たない」との理由で、結婚式の招待状には句読点を打ちません。できれば、返信用のメッセージも句読点を打たずにお返しするのがいいそうです。
句読点は文を読みやすくし、理解を助けるためにつけるものですが「切れる」「終わる」を意味するため、使わないのがマナーといわれています。
返信に句読点をつけてしまったら…
ふだんの文章では句読点を使うので、つい返信メッセージに「。」つけちゃいました…という方は多いのではないでしょうか。私も何度か経験あります。
修正液や修正テープではなく、簡単にできる修正方法をご紹介!みなさんが実際に苦心されたポジティブな解決策をみつけました。関係性にもよりますが、より楽しいメッセージになるのではないでしょう。
◎♥マークで隠す
◎かわいいシールを貼る
◎さりげなくイラストをちりばめてごまかす
いただいた側の意見も拾ってみました。
◎気にしない。メッセージの内容が大事
◎返信をいただいただけでうれしい
◎集計に忙しくて気付かない
と、幸せ一杯な二人は細かいことを気にしない!ということがわかりました。実際に、句読点があるメッセージは多かったという意見も。お祝いの気持ちがちゃんと伝われば問題ないですね。
表彰状で句読点をつけないのはなぜ?
表彰状は相手を敬って渡すものです。句読点を使うと「句読点をつけないと読めないだろう」という意味にも捉えられ、相手を見下すことになるのが理由だそうです。
私は大人になってから表彰状に触れる機会がなかったので、句読点の存在を意識しませんでした。
表彰状には決まりがあって、
●句読点は使わない
●一字下げはしない
ということが慣例となっているそうです。
そもそも昔は句読点がなかった?
句読点が使われるようになったのは明治時代になってから。それ以前の手紙は毛筆で書かれた文(ふみ)とよばれていたもので、もともと日本語には句読点がなく、文脈がわかりにくいときは字間を空けたり、改行をして終わりを表していました。今では当たり前に「、」「。」を使っていることを考えると、とても不思議な感じがしますね。
明治39年(1906)に文部省が国定教科書の基準として「句読法案」を制定し、句読点の使い方を初めて公に示したということ。そこでは【てん】と【まる】以外に【・】中黒【「」】カギカッコ【『』】フタエカギの使用法も示されたそうです。
句読点は子ども用?
明治時代になって欧米の文化や習慣が多く取り入れられるようになり、子どもたちが学ぶ環境が整ってきました。そこで子どもたちが文章を読みやすくするために「句読点」が使われ始めたとされています。つまり「句読点は子ども用」のものだったのですね。
そのため大人に句読点を使うのは失礼とされ、句読点を使わないことで敬意を表しているという礼儀も考え方も理解できます。
まとめ
みなさんも最近では句読点を使わない日常があるのではないでしょうか。LINEやツイートなど短い文章では、句読点を付けない人も多いようです。
もともとは子ども用に考えられた句読点が日本の文章に浸透し、デジタル時代に句読点が顔文字・絵文字・アニメーションに変化しているようにも感じます。
慣例やマナーとして句読点の使い方にも気遣いしながら、行間や空白を読み取る日本の文字の文化。そんなちょっとした心遣いを大切にしたいと改めて感じました。