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「シャングリラ」の意味は何?「桃源郷」や「まほろば」との違いは?

2020年『流浪の月』で第17回本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんの新作『滅びの前のシャングリラ』が話題の中、「シャングリラ」の意味って何だったかなと思ったり、松任谷由実のコンサートツアーが「シャングリラ」だったなぁと思ったので調べました。ちなみに、凪良さんは執筆するうえで、チャットモンチーの楽曲「シャングリラ」にインスピレーションを受けたと語っています。

今回は、凪良ゆうさんの書評や小説ネタバレではなく、「シャングリラ」という言葉についてまとめた記事です。

シャングリラの意味は「理想郷・桃源郷・楽園」

シャングリラ』は「理想郷」「桃源郷」「楽園」という意味で使われていて、そのルーツは英国の作家ジェイムズ・ヒルトン(James Hilton/1900〜1954)の小説「失われた地平線」(1933年刊)に登場する理想郷の架空の名称「Shangri-la」に由来するそうです。〜広辞苑ほか参照

書籍説明によると、正体不明の男に乗っ取られた飛行機がヒマラヤ山脈のさらに奥地に不時着し、偶然通りかかった謎の集団が導く先に、西洋の技術文明と東洋古来の精神文化が組み合わさった「不老不死の楽園」があった…となっています。復刊された冒険小説なのでぜひ読んでみたいですね。

また広辞苑にはもうひとつ解説があり、中国の雲南省北西部の県を2002年に「香格里拉」(シャングリラ市)に改称。これも先に記した意味に因んで改称されたようです。
香格里拉は、高山・森林・高原・湖沼などの景勝地で、チベット犬の産地でもあるということです。

小説『滅びの前のシャングリラ』のご紹介

1カ月後に小惑星が衝突し、地球は滅びる。明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていたけれど、滅び行く運命の中で、生きる意味を見つけられるのか。圧巻のラストに息を呑む、幸せについて問う傑作。

■『滅びの前のシャングリラ』
著者:凪良ゆう(なぎら・ゆう)
2020年『流浪の月』で本屋大賞受賞。
中央公論新社
定価:本体1,550円+税

『桃源郷(とうげんきょう)』の語源は?

桃源郷(とうげんきょう)/桃源(とうげん)』は、陶淵明「桃花源記(とうかげんき)」に描かれている「道に迷って辿り着いた桃林に囲まれた平和で豊かな別天地で、平和な生を楽しむ仙境。歓待された後に再訪しようとしたけど見つからなかった」という。俗界を離れた別世界であることから『理想郷』の意味として使われている。

理想郷を『まほろば」というのはなぜ?

まほろば』は、日本の古語「まほらば(真秀ろば)」「まほら(真秀ら)」「まほらば」の転で、『素晴らしい場所』や『住みやすい場所』という意味で、いわゆる『楽園』『理想郷』として表現に使われるようです。
音楽だと、さだまさしの「まほろば」、ももクロの「マホロバケーション」、キンプリのアルバムに収録された作詞作曲ナオト・インティライミの「マホロバ」などで使われています。

三浦しをんの「まほろ駅前多田便利軒」が大好きですが、ドラマの舞台が理想郷と関係あるのかどうかはわかりません。

まとめ

今回は、凪良ゆうさんの新作小説『滅びの前のシャングリラ』に触発されて、「シャングリラ」の意味をまとめました。

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