【問題】上の絵は上司と先輩にも出した年賀状です。さて、どこが間違っているでしょうか?
新年早々うっかりミスで恥ずかしい思いをしないように、年賀状で間違えやすい表現をまとめました。年に1回のことだから、忘れてしまうポイントを復習します。
元日と元旦の使い方を間違ってない?
元日(がんじつ)と元旦(がんたん)の違いは?どちらを使うのがいいのでしょうか。
「元日」は1月1日のこと。法律で定められた国民の祝日です。
「元旦」は元日の朝。つまり1月1日の朝(午前中)のこと。旦(たん)は「朝、夜明け」を意味する漢字。地平線から日の出の様子が想像できますね。
年賀状は基本的に、12月25日までに差し出せば元日(通常は午前中)に配達されます。元日に届くご挨拶なので「元旦」「元日」どちらでも大丈夫です。
元旦は1月1日の意味なので、
「1月1日 元旦」は重複表現です。
「元号○○年 元旦」と書きましょう。
年賀状が正月三が日までに届きそうでないときは「元号○○年 新春」と書くといいですね。
新年あけましておめでとうござ…は間違ってる?
「新年あけましておめでとうございます」という使い方は間違っている!といわれていますが。
NHK放送文化研究所の解説では
「広く一般的に使われているので、誤りとはいえない」そうです。
そもそもは、「新年」と「あけましておめでとう」が重複しているというのが理由のようです。「あけましておめでとうございます」や「新年おめでとうございます」なら無難ですね。
謹賀新年や賀正とあれば「あけおめ」不要?
「謹賀新年」や「賀正」をはじめ「寿」「迎春」「初春」などは年賀状で使う賀詞(がし/祝いの言葉)。「あけましておめでとうございます」も文章の賀詞なので、両方いっしょに使うと重複表現となります。どちらか選んで使いましょう。
先輩や上司にはどんな賀詞を選べばいいの?
■目上の方に対して使う賀詞(がし)
「謹賀新年」「恭賀新年」など4文字の賀詞
「謹んで初春のお慶びを申し上げます」など敬う表現の賀詞
■目上の方に使ってはダメな賀詞(がし)
「寿」「福」「賀正」「迎春」「初春」など1〜2文字の賀詞
※友人や後輩には使えます
「あけましておめでとうございます」「新年おめでとうございます」「新春のお慶びを申し上げます」「Happy New Year」などは相手を問わず使えます。
賀詞はこちら↓の記事「年賀状に使う挨拶の言葉は何が正しい?失敗しない賀詞の選び方」でご紹介しています。
挨拶文を書くときに気をつけたいマナー
●句読点は使わない
年賀状の挨拶文では「、」「。」など句読点は使わないのがマナーです。お祝いごとや喜ばしいことには区切りをつけないということが理由。読みやすく一文字開けるなどしましょう。
●縁起の良くない文字は使わない
「去年」という表現もNG。「去」が“去る”という忌み言葉で縁起が良くないためです。「昨年」もしくは「旧年」と表現しましょう。
【参考】
忌み言葉(いみことば)
縁起を担いで使うのを避ける言葉。「去る」「終わる」「離れる」「切れる」「消える」「失う」など
A Happy New Yearの「A」は不要?
年賀状で英語表記する場合は「Happy New Year」(新年おめでとう)が正解。
「A Happy New Year」は「良いお年を!」というメッセージなので、クリスマスに使われる「I wish you a Merry Christmas and a Happy New Year.」と同じです。
英語でデザインされた年賀状にする場合は「A」の付いていないものを選びましょう。
まとめ
いかがでしたか。問題の答えは「賀正」と「元旦」の使い方でした。年賀状だけでなく、年賀メールやLINEでも参考にしてくださいね。
近年では、個人情報保護の観点や、虚礼廃止で年賀状・御中元・御歳暮・バレンタインなど禁止する企業があるようで、寂しいような気もします。