新札、新券、ピン札。いろいろな言い方をしますが、見分け方や違いはあるのでしょうか。そもそも新札とは?ピン札とは?それぞれの違いについてまとめてみました。
新札と新券、ピン札は違うもの?
慶事のご祝儀を包むときなど、しわのない新しいお札を用意する機会は度々あります。銀行で両替してもらうときは「新札」「新券」どちらでも通じますよね。では、違いはなんでしょう。
新札と新券の違いは?
〈広辞苑より〉
【新札】新たに発行された紙幣。また、まだ折目もつかない新しい紙幣。ぴん札。
【新券】まだ折目などのついていない新しい紙幣。新札。ぴん札。
新札と新券を広辞苑で調べてみました。それぞれ呼び方は違いますが、同じもののようです。
結婚式やお年玉、入学祝いなどのご祝儀で用意する新しいお札は、新札、新券、ピン札、どの呼び方でもいいことがわかりました。
では、なぜ同じものなのに違う呼び方をするのでしょうか。
お札の正式名称は?
私たちがふだん使っている、お札の正式な名称は「日本銀行券」といいます。
お札をよく見てみると、金額の上に「日本銀行券」と印刷されているのがわかりますね。
日本銀行券は、日本の中央銀行である日本銀行が発行しており、現在、一万円券、五千円券、二千円券、千円券の4種類です。(※二千円札は西暦2000年に初めて発行されましたが、現在は新たな製造はしていません。)
「券」という言葉は「日本銀行券」からきていたんですね。銀行券は金融機関を通して、人々や企業に渡り、通貨として流通を繰り返します。ちなみに、硬貨の正式名称は「貨幣」といいます。
銀行では、新しい紙幣を「新札」というより「新券」という場合が多いようです。
ピン札とは?
そもそも「ぴん札」とは何でしょう。
〈広辞苑より〉
【ぴん札】折目やしわのない紙幣。
広辞苑で【ぴん札】を調べると、上記のようにでましたが、まだ疑問が残ります。そう、「ぴん」です。そもそも「ぴん」がひらがな表記ということも知らなかったので、さらに調べてみました。
〈大辞林より〉
【ぴん札】俗に、ぴんとした新しい紙幣をいう。新札。
「ぴん」とは様子を表す言葉でしょうか。こちらの説明の方が伝わりやすい感じがしますね。
ぴん札の「ピン」の意味とは?
調べていくうちに別の説をみつけました。
「ピン」は「点」を意味するポルトガル語のpinta(ピンタ)に由来するというものです。
〈広辞苑より〉
【ピン】(pinta ポルトガル語 点の意)
①カルタ・采(さい)の目などの1の数。
②はじめ。第1。最上のもの。
「ピン」には「はじめ。最上のもの」という意味があるので、ぴん札の「ぴん」もここからきているとすれば「最初のお札」「最上のお札」となりますね。
「ピン」が語源の他の言葉は?
このピンを語源とする言葉が他にもあります。
【ピンからキリまで】
①初めから終わりまで。
②最上級のものから最下等のものまで。
「ピンキリ」という言葉はよく耳にしたり、使ったりしますよね。この「ピン」も同じようにpinta(ピンタ)に由来する言葉だそうです。
語源由来辞典によると「点」を意味するピンは、カルタやサイコロの目の「ー(イチ)」を意味するようになり、転じて「始め」「最上」の意味となりました。
ちなみに「キリ」は「限り」を意味する「切り」を語源とするのが有力とされています。
他にも「ピン芸人」「ピンはね」などの言葉も、ここからきているそうです。
新札はどうやって手に入れる?
新札(ピン札/新札)を入手する7つの方法はこちらの記事でくわしく紹介しています↓
まとめ
新札、新券、ピン札と何気なく使っていましたが、それぞれに意味があったのですね。俗語かと思っていた「ぴん札」が辞書に載っていて、語源の由来にまさかの新たな発見がありました。
語源を知ったことで、ぴん札の有り難みがちょっと増す気がしませんか。